今月の会計講座・基礎編は「キャッシュ・フロー論」
マンツーマンでのセミナーとなり、より密度の高いお話をさせていただくことができました。
参加者の方が本当に求めていることをこうしてお伺いできるのは、
少人数制だからこそですね。会社の問題や課題に沿ったお話を伺いながら、
今回の本題C/Fをどう読み解きどう経営に役立てていくか?
私自身も勉強させていただきながら、今回の内容を少しでもお役に立てていただければ幸いです。
★設備投資を行ったときの、キャッシュと利益の関係
今回話題になったのは、設備投資について。
大きな設備投資を行うと、利益とキャッシュはどう動くでしょうか?
【利益】
設備投資を行っても、即座に取得費分の利益が減るわけではありません。
減価償却費として少しずつ設備を価値を償却していきますから、
5,000万の工場(耐用年数38年)を期首に購入したら、減価償却費は135万円です。
償却率=1÷耐用年数38=0.027
減価償却費=取得価額5,000万×償却率0.027=135万
38年かけて毎年この減価償却費を計上していくのが利益。
でもこの費用がひかれるのは、あくまで【利益】から。
お金が減るわけではないのです。
では、いつお金が減るのでしょうか?
もちろんおわかりですね。
【キャッシュ】
当然、キャッシュが出ていくのは、建物を購入したときです。
利益と違い、キャッシュはイニシャルにしか出ていきません。
(取得税や固定資産税は除きます)
初年度に一度に減ってしまうのが、【キャッシュ】
だから利益とキャッシュには違いが生じます。
キャッシュはイニシャル。利益はランニング。
そのあと設備投資の甲斐あって利益が増え、お金も増え、となるか
設備投資の甲斐なく減価償却費だけが利益から引かれていき…となるかは
投資回収の計画と実行力次第…
利益が出ているのにお金が減っていたり、利益が出ていないのにお金が増えていたり。
知らず知らずのうちにお金が減ってる…なんてことにならないよう、
利益とキャッシュの関係はしっかりつかんでおきたいですね。